IMG_1460

チョン・キンファ。
わたしの学生時代を思い出します。
憧れたヴァイオリニストの演奏を生でサントリーホールで聴きました。
磨かれた知的なスタイル、というか、進化し続けた彼女の演奏は強烈な印象を受けた。どこまでも彼女の音楽的感性の秀逸な演奏を示してくれたことに接した。
一度は指の故障で舞台に立つことできなかったが、克服してのことなのでしょうか。時代と共に進化していることをしみじみ感じさせた演奏であった。70歳近い彼女の年齢を微じんにも感じさせない音のパワーと精力に満ち溢れ、きりっとした彼女の顔たちは、学生時代に見たレコードの表紙と変わらないほど、様相を維持できていました、日々の努力や芸を磨くことで培われた人生観にも接した演奏であった。

音大時代はひたすらチョン・キンファの音を真似して演奏した時期のこと、特にエルガーの「愛の挨拶」を聞き直しては、弾きなおしの繰り返しでした。

サントリーでのリサイタルはオールベートーヴエンのヴァイオリンソナタ。特に7番のクロイツエルソナタとウェーベルンのヴァイオリンとピアノのための4つの小品は素晴らしい。東京にいるからこそ、生演奏を聞けたのではと思う。尊敬する女流ヴァイオリニストイダ・ヘンデルのように人生現役で演奏を続けてほしい。